ジルコニアの実力
2020/07/24
ジルコニアの性質
金属を使わない治療法
前歯やブリッジの審美治療には長いことメタルボンドという方法が行われてきました、
これは金属のフレームを鋳造して見える部分にセラミックを築盛して作ります。
10年ほど前からジルコニアというセラミックブロックを3Dプリンターで削りだして製作する方法が普及してきました。
初期のジルコニアは接着力が弱く脱落する、ブリッジだと破断する、アメリカで売れ残ったものを日本に押し付けている等言われていましたが、その後改良され強度が増し、ホットボンド処理を施すことにより接着力も相当強くなりました。
ジルコニアは金属を使わないので金属アレルギーの心配がなく、金属と違い科学的接着になるため2次むし歯にもなりにくい特長があります。
金属だと金属イオンが溶け出して接する部分の歯肉が紫色になることがありますが、セラミックは安定した材料でその心配がありません。
更にはバイオエネルギーもプラスの材料なので歯垢の付着や歯肉炎も起こりにくいのです。
保険の樹脂のような給水性がないため光沢がなくなったり変色したりする心配もありません。
以上のように非常に優れた材料です。
技工士との連携
このように優れた材料ですが、ジルコニアの補綴物を製作するのは歯科技工士です、
優秀な歯科技工士でないと治療は成功しません。
当院ではテキサス大学田中朝見先生のナソロジーポーセレンワーク各コースを16年間延べ30回以上受講した
トップレベルの歯科技工歯が作ります。ジルコニアを10年以上扱っているベテランです。
ドクター・テクニシャン同時講習会が開催される際には私と歯科技工士が一緒に受講いたしますので、チェアーサイドとラボサイドの連携がうまくとれますから安心した治療が受けられます。
歯の形成方法、印象材、技工に使う材料から接着方法までお互いに共有していますので常に安定した治療が可能になっています。
歯科技工士について詳しくは当院発行のニュースレター第6号をご覧ください。
ジルコニアの治療例
前歯のブリッジ
前歯が1本抜歯になった場合
ぶつけたりして前歯を1本失った場合
昔からある保険の治療方法ですと「取り外しの入れ歯」「両隣を全周削ってブリッジ」
某看板でお馴染み最近流行りの「インプラント」
のどれにしますかぁ?となることが多いと思います。
これを両隣の一部を削ってブリッジにすることが可能なのがジルコニアです
削るのは欠損側と裏側のみ
接着性ブリッジという方法です、金属でもありますが歯と歯の間に金属が見えます、そして剥がれやすい。
ジルコニアは金属並みの硬さがありますから、このように欠損部と歯の裏側を薄く削るだけで済みます。
ほぼ歯のエナメル質内に限局した切削なのでかなりの接着力が期待できます。
薄く削るだけなので麻酔がいりません。
当院では既に100症例以上のフルジルコニアとポーセレン前装ジルコニアクラウン、ジルコニアインレーを行ってきました。
今までに奥歯のブリッジが折れて作り直したことが1度だけありますが、剥がれたことはありません。
保証期間は4年ですが実際には長期に渡って使用できています、虫歯の再発による再治療も今のところありませんので歯周病だけ気を付けて頂ければ良いかと思います。
保険外の治療なので2020年7月現在
奥歯のフルクラウン1本9万円
前歯のポーセレン前装クラウン1本14万円
インレー又は3/4クラウン1本8万円
画像のブリッジだと8+14+8=30万円となります。
ブリッジの場合にはインプラントとあまり変わりませんので、合併症などでインプラント不可の方、インプラントのように時間をかけられない方には適した方法と思います。